ゴールデンウィークも終わり、少しずつ暑さを感じる日が増えてきましたがいかがお過ごしでしょうか?
今回ガンランドで紹介させていただく商品は…
こちらのH&K VP70M (タニオ・コバ)になります!
こちらはガスブローバック式のガスガンで、ガンランドのブログでは初めてのガスガンの紹介になります!
H&K VP70は、ドイツのヘッケラー&コッホ (H&K) 社が開発し発売されていた、世界初のポリマー製のフレームをもった自動拳銃になります。「バイオハザード」シリーズのレオン・S・ケネディが使用していたので、知っている方もいるのではないのでしょうか?
VP70の歴史
第二次大戦末期のドイツでは 、110,000 丁以上のピストルをドイツ軍が損失していたため、ピストルの損失を軽減し、兵力・火器不足を補うため、容易に大量生産可能で国民全員を武装させられる「国民拳銃(Volks Pistole)」という、緊急に設計されたドイツのピストルの設計思想がありました。戦後の1960年代、H&K社がこのVolks Pistoleの設計思想を元にして開発した自動拳銃がVP70です。Volks Pistoleの頭文字と、設計が完了し生産が開始された1970年からVP70と命名され ました。
H&K社のマーケティングディレクター、スティーヴ・ギャロウェイがVP70について「レジスタンスのための銃」であると言っていました。冷戦時代、ソ連とその共産圏国家の矢面にあった西ドイツがいざ制圧されたときには、抵抗する意思を残した市民がVP70を取って戦うことを想定したものだと述べておられます。こうした背景からか入手や製造の容易な比較的安価で簡素な拳銃となっており、技術や資金に乏しい第三国への輸出をも視野に入れていました。
VP70の特徴
先程の文章にもあった通り、VP70は入手や製造を容易にするために思い切った部品点数の削減がなされています。VP70は9x19mmパラベラム弾という以前に当ブログでも紹介したマルシン ルガーにも使用されている強力な弾丸を使用するため、本来ならショートリコイル方式と呼ばれる反動の軽減や操作性に優れるものを採用するべきなのですが、部品数の削減のために、わざとスライドを大型で重いものにしてスライドの後退速度を調整し、ポリゴナルバレル(銃身)のライフリング(溝)をわざと深く彫り込んで、その隙間から発射ガスの一部を逃がすことで腔圧を下げる設計構造にしたことで、リコイルスプリング(ばね)の力とスライド自身の重量だけで反動を支える単純で部品数も少ないストレートブローバック方式(VP70はスライドを重くし、発射ガスの圧力が下がるまでスライド(ボルト)の後退を一瞬遅らせる機構を備えたものがあるので、正確にはディレード・ブローバック)を利用することに成功しました。
また、制作費用を抑えるために、ポリマー(強化プラスチック)製のフレームが採用されていて、それまでにあった、「銃器は全金属製でなければならない」という固定概念を払拭すると共に、高度で複雑な金属加工を必要としない製造方法にすることができました。
そしてVP70の代表的な特徴が、上の画像にある専用の着脱式銃床(ストック)の存在です。このストックには3点バースト射撃が可能にさせるセレクターが付いており、VP70をストックに装着させることで、機関拳銃(マシンピストル)として運用することができるようになります。また、このストックは中に空間があり、その中にVP70を収納することもできるようになっています。
欠点
しかし、このような独特の構造をしていると問題点もいくつか出てしまいます。
- マズルの隙間からガスが漏れる構造をしているため銃口初速が低くなってしまい9x19mmパラベラム弾の利点をあまり活かせていない。
- ストレートブローバック方式であるため、反動がショートリコイル式の拳銃よりも鋭く、また、スライドが大型で重いため、体感反動が大きい。
- せっかくの3点バースト射撃も、反動が大きい為、制御が困難だった。
などの問題により、VP70は「他の9x19mmパラベラム弾を使う拳銃に比べて威力が劣るにもかかわらず、反動が大きく命中精度が低い」という評価になってしまいました。
そのため、商業的にもモロッコをはじめとしたアフリカや南米の数カ国の軍・警察がわずかに採用したのみで売り上げが振るわず、失敗作の様な位置づけになりました。
お買取りさせて頂いたお品物の状態
今回紹介させていただいておりますタニオ・コバ製のH&K VP70Mは軍隊および警察・法執行機関を主顧客としたモデルになっているためVP70Mとなっております。
ガスガンですので、BB弾を使用して撃つ事のできる商品になっており、ストックを装着すると3点バースト射撃も可能になります!
ハンドガンなのですが、持ってみるとずっしりとした重さがあり、実際に3点バースト射撃で試射すると、ガス漏れも無くしっかりと撃つ事ができました!
タニオ・コバのVP70は既に生産が終了しており、生産数もあまり多くなかったため、希少な商品になっております。また、国内ではVP70をタニオ・コバ社ぐらいでしか販売していないので、実際に触れることができてとても楽しかったですね!
ガンランドではゴールデンウイーク中にも出張買取や店頭買取で様々な銃を買い取らせていただきました、1点からでも買取させていただいておりますので、お気軽にお問い合わせください!
To be continued…