ガンランド

マルシン 44 AUTOMAG CLINT-1 MODEL280

今回紹介させていただくモデルガンはこちらのマルシン「44 AUTOMAG CLINT-1 MODEL280」になります!!

AUTOMAG(オートマグ)は同名のオートマグ・コーポレーションから一般販売された世界初のマグナム弾を発射できる自動拳銃になります。

当時、回転式拳銃(俗に言うリボルバー)にマグナム弾の使用できる製品ができた事に対し、オートマグ・コーポレーションは、当時の新技術であったステンレス鋼を元に、マグナム弾の使用に耐えメンテナンスも容易な自動拳銃を目指して作成された銃になります。

オートマグの歴史

自動拳銃は回転式拳銃よりも装弾数が多く、弾を発射した時の反動も少ない為、もしマグナム弾が自動拳銃で使用できるようになれば当時世界最強の拳銃とされていたS&W M29を超える製品になるのではないかという期待があり、先行予約の段階でかなりの受注があったとされています。

しかし実際に販売され使用されるようになった時に様々な欠点が見つかってしまいます。

実例によると

  • ステンレス鋼を加工する技術が未熟だったため銃内部の細かいパーツの仕上げにミスが発生してしまい、動作不良を起こした。
  • 同様にステンレス鋼に合う潤滑油がまだ流通していなかったため、動作不良を起こした。
  • この銃に使用される専用弾薬の.44AMP弾の供給が遅れてしまい、違う規格の弾を切り詰めて自作の弾薬を使うことが多く動作不良を招いた。
  • マガジンには7発の弾が装填できるはずなのに、7発目を入れると底付きする寸前に弾が入ってしまうため、弾倉を痛める原因になってしまった。

など多くの欠点が見つかってしまい、銃の名前をもじって「オートジャム(作動不良)」という蔑称も付いてしまいました。(このオートジャムという蔑称は実際にはそう呼ばれてはおらず、日本で勝手に造られた造語で、デマではないかという噂もあります。)

この様な事例があったことに加え、このオートマグは開発が難航してしまったことで開発費用が嵩んでしまい、製造に多大なコストがかかってしまう製品であったにもかかわらず、販売価格を下げて大量に販売しようとはせずに販売していたため利益を上げることができず、僅か1年余りで販売元のオートマグ・コーポレーションが倒産してしまいました。

その後様々な会社に買収され、改良などを重ねて販売され、1971年の販売開始から1983年の生産終了までにおよそ9,000挺が製造されました。

CLINT-1とは

今回紹介しているオートマグはその中でもCLINT-1(クリントワン)と呼ばれるものになります。その名前が示す通り『ミリオンダラー・ベイビー』、『グラン・トリノ』、『運び屋』など名だたる映画を世に送り出してきた監督であり俳優のクリントイーストウッド氏に贈呈された特別モデルです。

同氏が出演していた代表的な映画『ダーティハリー』シリーズの『ダーティハリー4』ではクリントイーストウッド演じる「ハリー・キャラハン」が撮影用に、CLINT-1を模して作られた模擬銃であるCLINT-2を使用していました。

お買取りさせて頂いたお品物の状態

先程の文章にもあったとおり今回紹介させて頂いているCLINT-1なのですが、通常の44オートマグとは違い銃身長が8.5インチあるのでその大きさに驚いてしまいますね!迫力があります!

実際に手に持ってみるとSMG規格(金属製)ですのでかなりの重量感があり(普通のSMGのハンドガンの1.5倍くらいは重いのではないでしょうか)ボルトを引くのにもかなりの力を必要とします。これに弾を発射した際の反動があると考えると、簡単に扱える代物ではないことが分かりますね。

ガンランドでは最近コレクター様からの買取をさせて頂いており、色々な素晴らしい銃に出会えております!

次回の更新もお楽しみに!

To be continued…